2019年3月27日水曜日

PWRとギア比の関係 スプロケットの選び方

1980年代生まれ、もしくは70年代生まれの男子にとって、「ギア」というのは羨望の的であったことは間違いのない事実だ。

スーパーカー自転車のメカメカしい変速ギア。実用性・重量など気にもせず、見た目というただ一点のみに集中した作り。

車重は20kgを凌駕しママチャリを大きく凌ぐ。遅い。間違いなく遅い。
にも拘らず、その威容は少年たちの心を鷲掴みにしたのだった。

しかし、10年ほどすると、流石に気づく。遅さに。

そして訪れる。MTB時代。

第一次MTBブームが起こり、少年たちは「ギア」の段数こそがカッコよさの象徴であると信じ込む。フロント3段、リア6段で18段ギア!!!!

最強っ!!!  と。

その傾向はミレニアムを迎えた世界にあっても正義であり、段数の拡大こそが最新技術の象徴ともいえる開発競争は続いたのだ。

しかし、魔改造をすることで、非公式ながらフロント3段、リア11段の33段ギアがその極地として君臨するころには、またしても我々は気が付いてしまうのだ。

ギアが多すぎたことに。


そして、2018年にSRAMが告げたのだ。

フロントトリプルは死んだ。埋葬したと。


こうして、一部の生き残りを除いて、フロントはシングル(一段)かダブル(二段)。
リアは最大12速(段)という構成が台頭している。

然して、我々が選択すべきギアは依然に比べて減ったものの、必要十分な選択肢が与えられているとも言えるだろう。


長くなってきたが、本題に入る前に、もう一つ、ケイデンスについても語らねばなるまい。

私がロードバイクを初めて買ったのはもう20年前であったが、その頃推奨されていたケイデンスは、そもそも値として示されてすらいなかった。

ケイデンスを計測できるメーターなんて一部のハイエンドのみであったから、我々は感覚でのみケイデンスを語った。

先輩は言う。

「ちょっと軽いなっていうくらいのギアで漕ぐといいよ」と。

もう、ざっくり。軽いってどんくらいやねん。


そもそも時代は、まだまだ体育会系が幅を利かせる時代。

気合・根性をもって、ことにあたり、足りなければ体罰。

そんな時代のギアは7段~9段であったが、漢なら53-42の11-21。52-39の11-25なんて恥ずかしくて買えない。

25なんて付けようものなら、「あれ?スプロケでかくない?ダサwwww」

52tとか、「チェーンリングちっさwwwww」

だったし、そもそもコンパクトやセミコンパクトのクランクなんてロードレーサーには存在しなかった。

その頃、もっと軽いギア比が使われていたのは、ツーリング用のランドナーやスポルティフ。クロスバイクやMTBだった。

ただ、そういった車種でも、思想自体は重いギアを踏んでこそ漢。であるから、ランドナーでフロントトリプルであったとしても、インナーギアにチェーンを落とすことは恥とされ、インナーギアは自転車が壊れるまで新品であることを誇りとしたのだ。

ツールドフランスをはじめとするプロレースにおいても、重いギアを踏みしめて峠を登る漢たちがほとんどであり、そんな漢ギア理論が覆される日が来るとは、当時夢にも思わなかったのである。


しかし、その日は来た。

ランスアームストロングの登場だ。

彼は史上最強のドーパーにして、高ケイデンスペダリングの生みの親とも言っていい存在だ。

軽快な高回転ダンシングでペダルを踏みしめるウルリッヒを引きちぎる様は、今ではサイクルスポーツの黒歴史であり、映像が流れることもほとんどなくなったが、科学的根拠によって生み出されたモンスターによって漢ギアという根性論が覆された瞬間でもあったのだ。


そして現代、ツールドフランスにおいて、選手たちの平均ケイデンスは100を超えているというし、ギア比の選択も多様化。

シマノを基準とすれば、フロントチェーンリングは46-34、50-34、52-36、53-39~ と、昔と比べてかなり軽いギア比の選択が可能になっているし、スプロケットは最大で11-34という、昔のMTB並のワイドレシオが用意されている。

さらにはパワーメーターの普及に応じて、人間が出力するペダリングパワーがケイデンスいくつで最大効率となるのかというのも、粗方判明してきている。

個人差はあるものの、一般的にはケイデンス90~110くらいが、FTPくらいの出力を出す際には最適と考えられているようだ。

ここからは半分持論になるが、スローペースのロングライドの場合、ケイデンスを落として70~80くらいにしたほうが疲労を減らせるし、スプリントレベルの強度を出すとき、ギアを変えずにモガくので、最低110かそれ以上にケイデンスを上げても出力を出せるようにする必要があると思われる。



では、これらの背景を踏まえて、我々はどのチェーンリングとスプロケットを買えばいいのか?

まず、基準として考えるべきなのは、ロードレーサーに乗る際に出す最高スピードと最低スピードだ。

例えば、体重90kg FTP270W (3.0W/kg)スプリンター系の男性の場合を考えてみよう。

彼の5秒最大パワーが1500Wだったとすると、追い風時のスプリントでは恐らく60km/hを超えるスピードが出せるだろう。

すると、52-11のギア比で100rpmの場合、59.7km/hが出せるので、セミコンパクトかノーマルのチェーンリングが必要と考えられる。

逆に、例えば白石峠のタイムは35分程度が限界だ。
平均時速は10.8km/h。

36-34のギア比で80rpmでちょうど10.8km/hほどとなるから、斜度が高いところではこれでもケイデンスは80rpmを下回る計算になる。

つまり、この男性の場合、走行するコースを考えずにスプロケットを一つだけとするならば、チェーンリングはセミコンパクト。スプロケットは11-34tを選択するのが正しいということになるだろう。


次に、体重55kg  FTP245W (4.5W/kg)クライマーの男性の場合を考えてみよう。

彼の5秒最大パワーが800Wだったとすると、追い風時のスプリントでは恐らく55km/h出せれば頑張った感じではないだろうか。

すると、50-11のギア比で100rpmの場合、57.5km/hが出せるので、下り坂で踏みまくるなら別だが、基本的にはコンパクトクランクでもお釣りが来るということになる。

この人の白石峠のタイムは25分程度になる。
平均時速は15.1km/h。

34-25のギア比、90rpmで15.5km/hほどになるから、実はそんなにワイドなスプロケットでなくても大丈夫なのだ。

つまり、この男性の場合、コンパクトクランクに11-25tのスプロケットを選択するのが良いだろう。
ただし、この男性はクライマー想定なので、もっと厳しい登りセクションで勝負する可能性を考えると、11-28や11-30程度のギア比でも良いかもしれない。


では、5倍マンの場合はどうなるか?
体重60kg FTP300W オールラウンダーの男性で考えてみよう

スプリントでは恐らく60km/h以上で勝負できるだろうし、白石峠は22分台で走ったりするだろう。

まず最大ギアだが、52-11で良いのかどうかが問題になる。
一人目の男性と同様、スプリント時はそれでも良いだろうが、この男性、5倍マンである。
脚力だけなら、実業団のE1クラスかJPTでも走れる実力があるだろうから、そうなると下りで踏んでいくことも必要なので、53tの選択も良いだろう。


次に白石峠22分の場合、平均時速は17.2km/hになる。

39-25t 90rpm で、17.7km/h
39-28t 90rpm で、15.8km/h

36-25t 90rpm で、16.4km/h
36-28t 90rpm で、14.7km/h

となるから、高ケイデンスが好きだったりしなければ、ノーマルクランクで十分ということだ。

つまり、この男性が選択すべきなのは、53-39のノーマルクランクに11-25のスプロケを基本とし、コースよって11-28や11-30を使い分けるのも良いということになる。




これまで3つの例を出してきたが、チェーンリング・スプロケットの選択は、自分が漕いで出す可能性のある最大速度と、ターゲットとする峠や斜度によって決めていくのが良い。

また、脚質や好みの問題だが、一定ケイデンスが好きでクロスレシオが良いとか、私のようにギアを何個も変えるのが面倒な人はワイドレシオのほうが良いとか、そういった基準もあるので、そのあたりも踏まえてチェーンリングとスプロケットを選びましょう。


最後に、スプロケットを交換すると、交換しただけでギア調整が狂ったり、リアディレイラーの対応ギア比やチェーン長などの影響で最悪自転車が破損することもあるので、パーツを交換する際はショップやインターネットで良く確認してから調整を行い、近所でトルクをかけて乗って確認等したからライドに出かけるようにしましょう('Д')

2019年3月10日日曜日

Zwift Raceの説明書

Zwift Raceで全然ついていけない。勝てないという読者諸兄のお悩みの声が聞こえてきた(空耳)

それもそのはず。Zwiftレースのレベルは高い。毎回勝てるレベルの人はほとんどいないし、そもそも先頭集団に残れる日本人もまた限られている。

なぜなら、Zwiftの平地レースで、先頭集団の強度は、ほとんどのサーキット系エンデューロの先頭集団並か、下手するとそれ以上。

彩湖などの実業団選手を含むような練習会(先頭集団)で考えても、Zwiftレースよりも強度が高いことはそれほど多くない。(っていうかzwiftレースでツキイチでも、練習会でローテ回すより辛い)

なので、(チートせずに)Zwiftレースで先頭を引きまくったり、逃げたり、スプリントで勝てるレベルの人は、フィジカルだけならE1クラスはあると思って差し支えないだろう。

もちろん、zwiftレースでも過疎レースというか、強い人が少ないこともあるので、そういうときは私程度でも勝ちを狙えるのだが、最近はzwiftレースの参加人数や参加者のレベルが上がってきているため、なかなか着に絡めなくなっている。

では、どうしたらより良い順位を目指せるのだろうか?

今回はその点について語ろうと思う。
※主に平地レースです(^o^)

まず、初心者〜初級者レベル(D〜C)の場合、先頭集団についていくのはまず不可能である。

もし、ついていけたら、走力がすでにDとかCではないのでクラスを改める必要がある。

だが、ついて行けなくととも、最初から諦めずにスタート時のセレクションには出来るだけついていくようにするのが正解だ。

リアルレースの場合、走力がない選手がイキって無理に先頭集団についていくのは危険だが、zwiftなら存分にイキって構わないし、自分の実力の把握にも繋がるだろう。

ほとんどのレースでは開始から精々1,2分程度で、先頭集団からC,Dの人はほとんど消える。

もし、スタートセレクションについていくことができたら、C,Dクラスにおいて(クラス詐欺を除いて)良い順位に食い込める可能性大だ。

あとはオールアウトする寸前で集団から離脱し、第2集団や良いパックを見つけて一緒に行くのが良いだろう。

つまり、初心者〜初級者レベル(D〜C)の目標は、最序盤のスタートセレクションに食らいつくことと、最後まで諦めずにゴールすることだ。

なお、最序盤のセレクションに着いていくのはにはコツがある。

まず、アップをしておくこと。

アップ無しであのセレクションに参加すると確実に体に悪い。夕飯後とか特にヤバイ(^q^)

次に、スタート前1〜2秒から6,7倍くらいの強度で踏み始めること。

出遅れると前に追いつくのが果てしなく辛い。

ただし、イキりすぎて先頭を引かないこと。

先頭に出るとドラフティングが効かなくなるので一気に失速してそのまま千切れることもある。
もし先頭に出てしまったらFTP以下に出力を落として集団に戻る。集団に戻ってドラフティングが効いたら、再度踏み返すと良い。

裏ワザとしては、レース前のアップ時などで、事前にアイテムを取得しておくという手があったのだが最近は使えなくなってしまったようだ。

後はもう根性。中切れが起こったら吸収するのは至難の技なので、ある程度前に位置取って耐える。耐えるしかない。

周りにほとんどCクラスがいなくなるまで耐えられればCクラスはほぼ卒業だ。

さて、Cクラスを卒業しBクラスに上がると、試練のレベルがガッツリ上昇する。

なぜなら、Bクラスの上位勢は先頭集団に最終周回まで残ることが多いからだ。もちろん、クラス詐欺でAクラス相当のFTPなのにBクラスで出ている人を除いても、だ。

そのため、次の試練は先頭集団に食らいつくことになる。

ただ、10分以上のヒルクライムがあるようなレースは戦略が大きく変わるから、今回はvolcano flatやlondonフラット、Innsbruckingなどの平坦基調レースに焦点を絞る。

スタートセレクションをクリアすると大抵は集団が落ち着く。(落ち着かないこともあるが)しかも、落ち着くと言っても、集団内で大体3.2倍〜4倍以上は踏まないと付いていけない感じだ。

FTP5倍前後の人だと余裕があるだろうが、Bクラスに取ってはFTP前後の出力が必要なわけでもう死にそうになるけれど、ここでは脚を溜めなければならない。

なぜなら、フラットコースの途中にある軽い登坂(10秒〜1分ほど)では必ずと言っていいほどセレクションが掛かる。

セレクションに突入したらマッチに火をつけて5倍〜8倍くらいの強度で踏まないと千切れることうけあい。

慣れないうちは抑えめに乗り切ろうとか考えるのだが、中切れに巻き込まれると終わるので、出来るだけ集団の前の方で乗り切ることをオススメする。

イメージ的には先頭には出ないけど前方をキープするチキンゲームみたいな感じで立ち回るのが省エネに繋がる。

先頭を引くのは強いAクラスの人に任せて良い。

スタートセレクションをクリアし、登坂セレクションをクリア。そこまで行ければ、また一歩レベルアップしたと言って過言ではないが、この登坂セレクション、大抵周回毎にあるため、3〜10回くらい行われる。

次の目標は、何回クリア出来るかだ。

ただし、レースによって先頭集団の強度は異なるので日によってクリア出来るときと出来ないときがあったりするが、あまり気にしてはいけない。

因みに昨日のレースでは私は2回目のセレクションで千切れた(^o^)

でも、volcano circuitのタイムでPR(ストラバで上位1%レベル)出してるし、強度的には自己新だからしょうがない。

そんな割り切りも重要だと思う。

大切なのはそこで諦めてDNFしないこと。
(私もよくDNFしちゃうけど)

脚を若干緩めて後ろのパックを待ったりしながらでも、最後までゴールすることでトレーニングとして成り立つことを忘れない。

そうです。根性です。

そんな感じでレースに何度も参加していると、時間帯や他の不定期イベントとの兼ね合いとかで、比較的キチガイじみていない強度のレースに出会ったりもする。

そういうときは、先頭集団に最後までついて行けたりするわけだが、最後にはまた難関が待ち受けている。

最終周回の強度アップやアタック合戦だ。

ここまで来たら、もう後は自分の得意分野で勝負するしかない。

スプリントで勝負するのか、登坂で逃げて逃げ切りを狙うのか、ラストのロングスパートでねじ伏せるのか。

迷っていると大抵やられるので、戦略を決めて勝負するのが良いと思う。

そんな感じで勝てたらすごく気持ちいい(^o^)

私も数度しか勝ったことはないけれど、やっぱり勝つのは楽しい。

と、いうわけで、それぞれのレベルに合わせて目標を決めて取組むのが良いと思うのだ。

ちなみに、Aクラスになると上限がなくなるのでそこはもう魔界。

たぶん、先頭集団でセレクションをしたり、アタックしたり、逃げたり・・・私の想像を絶するパワーゲームになる。(一年くらい前はここまで強い人多くなかったからたまに参加出来たのだが・・・)

うん。FTPが足らん(^o^)

そのレベルの話は別の人に聞いてください(笑)

最後にもう一つ。

Zwiftで先頭集団についていくのに有効なことがもう一つ。ダイエットだ。

アイテムのフェザーウエイトは一時的に体重を6.8kg軽くするアイテムだが、実際に7kg減量すれば常時フェザーウエイト状態なので大分楽になる。

よし、やっぱ減量するしかないな(,,゚Д゚)